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アメリカグランドサークルドライブ旅行記

(2008年8月9日〜2008年8月17日)

★ 7日目 ★

 

   

7時半起床です。今日は結構ハードな一日になるんです。まずはセドナのザ・ワイからAZ-179を通り、I-17でフェニックスまで南下して、嫁のご希望のアリゾナミルズ(ショッピングモール)に買い物に行くんです。

しかし、阿呆な嫁の大失態がそれを拒んだんです。アリゾナミルズに入っているショップは調べているのに行き方を調べてないんです。しかも、悪びれず助手席で居眠りにふける嫁。

木だけを見ないで森も見なさい、僕は居眠りしている嫁に言ってやりました。
 
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フェニックスの町はでかいです。予定よりも30分遅れてアリゾナミルズへ到着しました。

大ざっぱな地図で直線にして10マイル手前でハイウェイを降りるように指示する嫁、道に迷い、不慣れなんだからもっと目的地近くまでハイウェイを利用したほうがいいとアドバイスする僕に、「じゃあ自分で道探せばいいでしょ」と地図が読めない女は逆ギレでした。

はい、不機嫌なショッピングでした。意地と意地とのぶつかり合いです。ぶつかり稽古です。
 
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アリゾナミルズで急いで買い物を済ませると、次は初日に買い物したオンタリオミルズへ直行です。フェニックスからブライスまでは嫁が運転することになりました。I-10をたくさんの分岐に惑わされずひたすら進みます。

ここまで来ると車内の会話は旅の総括的な話です。
今回の旅でたくさんのショッピングモールに行きました。オンタリオミルズ、バーストゥ、ラスベガス・プレミアムアウトレット、マッカラン国際空港近くのタウンスクエア、アリゾナミルズ。ショップで言えば、アバクロ、トミーヒルフィガー、アメリカンイーグル、ホリスター、H&Mなどなど。

で、そんだけモールを回って思ったのは、どこへ行ってもアイテムも値段もまったく変わらないんです。買う場所によって州税は変わってくると思うけど、買い物はラスベガスだけで良かったんです。もちろん結果論で、それを踏まえての最後のオンタリオミルズなんです。

運転は苦労したのは初日だけでした。たぶん原因は過度の緊張とスマートな運転を心掛けようとしたせい。思い込みだけど、アメリカでの運転って自分勝手が許されると思う。アメリカ人はそんな自分勝手な運転を許容する余裕を持って運転してる。
 
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そんな平和な会話の途中でした。

突然だったんです。ピコン、ピコン、ピコンとクルマのどこかから警告音を響き始めたんです。その警告に気付いたのは助手席の僕ではなく運転席の嫁でした。さっきまで静かに外気温と走行距離だけを表示していたデジタルが激しく「LOW FUEL」という文字を点滅させていました。運転している嫁はともかく、僕は正直あせりました。次の出口でガソリンスタンドに行けばいいねなんて冷静に言いながら、出口の間隔にばらつきのあるアメリカの道路事情を考えていました。仮に警告音が残り5リットルで鳴るとすれば約50キロ走れる、時速120キロで走ってるから20分以内に給油しなくちゃ、マイルやガロンではなく思いっきり日本式計算が脳内で繰り返されました。

それから長い10分弱が経ち、次の出口の表示が現れたんです。次はブライス、ある程度大きな町です。深い呼吸が自然と漏れました。出口付近にはガソリンスタンドも見えました。一安心です。
 
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と思ったら、阿呆な嫁が一旦出したウインカーを元に戻し、ブライスを通り過ぎたんです。放心しました。僕のほうが阿呆になりそうでした。そして、嫁が言ったんです。

「ブライスのガソリンは他の場所よりも1ガロン0.6ドルも高いね。いい商売してるわ・・・」

そんな嫁はいい根性をしておりました。確かに1ガロン0.6ドルは1リッターで言えば17円高い、でもそんなことを言ってる場合じゃないんです。

それから10分以上何もない砂漠の中の出口を2カ所通り過ぎました。嫁は泣きそうでした。僕はハイウェイ沿いの緊急電話の間隔を見ていました。メーターはレッドラインを切りました。ラジオとエアコンを消しました。汗を拭う余裕はありませんでした。警告音が鳴るタイミングが5リットルならばもうクルマは止まっていたはずでした。視界には砂漠のみが広がり人の住む気配はありませんでした。そんな中、次の出口を示す標識が見えたんです。

【 Desert Center 】

Centerと言うからには何かあるはずだと思いました。信じました。願いました。そして出口を降りたんです。僕たちの目の前に現れたのはゴーストタウンのような廃墟と化したガソリンスタンドと私書箱とカフェだけでした。
 
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カフェの隣の車庫に人を見つけて、僕は走ったんです。ガソリンありませんかって。20マイル進まないと次のガソリンスタンドがないことを教えられました。泣きそうでした。必死でした。そしたら、その人がカフェのウェイトレスのところに行きなって言ったんです。店に入って、ウェイトレスに訴えました。ウェイトレスはよくあることなのか、「5ガロン75ドルを現金払いでいいなら業者を呼ぶけど」と言いました。即座にお願いしました。ウェイトレスはどこかに電話をかけ言ったんです。

「ガス欠のお客さんがいるんだけどガソリン持ってきてくれない。5ガロン75ドルでOKだから。相手はそんなに英語が上手じゃないから・・・」

なんか引っ掛かる電話でした。引っ掛かっるけど10分でガソリンが運ばれてくることに安心しました。75ドルも手数料5千強と考えれば高くないと思いました。そして、かなりおデブなヒーローがポリタンクをクルマに積んでやってきたんです。日本でよく見るような灯油用タンクのガソリンが僕たちのクルマに飲み込まれていきました。75ドルを払いました。僕たちは助かったんです。
 
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嫁は憔悴しきってクルマのキーを僕に渡しました。僕は少し回復したガソリンメーターを確認しながらオンタリオを目指したんです。5ガロンあれば120マイル走れる、オンタリオまで一気に行けると思いました。

クルマは快適な空間に戻りました。でも、クルマを走らせるとガソリンメーターの減り具合が異常に早く、50マイルを過ぎるころにはまたもやガス欠警告音を鳴り始めたんです。おかしいと思いました、思ったけど、速やかに次の出口のモロンゴで8ガロン給油したんです。そしてガソリンメーターの残量を見て気付いてしまったんです。さっきのデザートセンターで5ガロン入れたときの4倍ほどメーターが上昇してたんです。

ここからはあくまでも想像ですが、メーターの上がり具合と走行距離を考えるとデザートセンターで給油されたのは2ガロンくらいなんです。そして、あの時ウェイトレスの電話口で言った言葉がよみがえりました。

「相手はそんなに英語が上手じゃないから・・・」

無意味な言葉だと思っていましたが、もしかして合言葉だったんでしょうか。相手は旅行者だから、しかも外国人だから・・・。まあいい勉強でした。
 
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オンタリオには午後5時過ぎに着きました。今日は宿を予約していなかったので、オンタリオミルズから少しロサンゼルス寄りの出口を降りたところのモーテル6に飛び込みました。距離的にも精神的にも長い移動でした。

モーテルで荷物をおろしてすぐに出発です。嫁には買い物が、僕にはお食事が待っているんです。最後の戦いに向う挑戦者のような心意気なんです。
 
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まずはお食事です。念願のIN-N-OUTバーガーなんです。このチェーン店はロサンゼルス近郊にはたくさんあるのに、少し外れると全然なくて困ってたんです。

注文後手造りなので結構な時間待たされますが、匂いを嗅いでるだけで幸せな気分にさせてくれるんです。ハンバーガーセットを2つ、嫁は普通のハンバーガー、僕は玉ねぎを生でリクエスト。

シャキシャキ食感の僕のハンバーガーと嫁の普通のハンバーガー、嫁の普通のハンバーガーのネギが香ばしく炒めてあって、こっちのほうがおすすめです。
 
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そして、最後のお買い物タイムがやってまいりました。

セドナでボルテックスのパワーをもらった嫁はパワフルでした。自分でもそう言っておりましたが、僕にはただの買い物好きにしか見えません。
閉店時間の9時半、嫁は店員さんに追い出されるまで買い物を楽しんだんです。無事ならなんでもOK、そんなことをしみじみと考えさせられる一日でした。

本日の走行距離494マイル


 
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