現代ポートフォリオ理論
| リスクを軽減しリターンを安定化させる方法、現代ポートフォリオ理論をここでは考えます。 |
| まず2つの投資対象AとBがあるとします。Aの商品だけに投資した場合のリターンとリスクは、それぞれ8%と10%とします。Bの商品だけに投資した場合、リターンは15%、リスクは18%です。それでは、Aに50%、Bに50%ずつ投資した場合のリスクとリターンはどうなるでしょう? この場合は、AとBの「相関関係」を考える必要があります。相関関係とは2つの投資資産の価格変動の相互関係を数値化したもので、−1から+1までの数字で表されます。+1の場合、2つの投資資産のリターンは同じ動き(一方の資産が上昇すれば、必ずもう一方も上昇する)をします。−1の場合は一方の資産が上昇すれば、もう一方の資産が下降し、相関関係が0の場合は2つの資産の価格変動に関連はありません。例えば為替動向のみを考えれば、AとBが輸出企業なら+1、Aが輸出企業でBが輸入企業なら−1、AとBのどちらかか両方が為替相場の影響を受けなければ0ということになります。 次の表は、AとBに50%ずつ投資した場合のリターンとリスクをAとBの相関係数別に表しています。 |
| AとBの相関係数 | +1 | +0.5 | 0 | −0.5 | −1 |
| Aの組み入れ率 | 50% | 50% | 50% | 50% | 50% |
| Bの組み入れ率 | 50% | 50% | 50% | 50% | 50% |
| 全体のリターン | 11.5% | 11.5% | 11.5% | 11.5% | 11.5% |
| 全体のリスク | 14.5% | 12.3% | 10.3% | 7.8% | 4.0% |
| 相関係数が低ければ低いほど、同じリターンを得るために取るリスクは低くなっていくことがわかります。つまり、相関関係が低い資産同士を組み合わせることによってリスクを低減することができます。
次の表では、AとBの相関係数が−0.5であった場合、AとBの資産組み合わせ率にリターンとリスクがどのように変化するかを考えます。 |
| AとBの相関係数 | −0.5 | −0.5 | −0.5 | −0.5 | −0.5 | −0.5 |
| Aの組み入れ率 | 100% | 75% | 62% | 50% | 25% | 0% |
| Bの組み入れ率 | 0% | 25% | 38% | 50% | 75% | 100% |
| 全体のリターン | 8.0% | 9.8% | 10.7% | 11.5% | 13.3% | 15.0% |
| 全体のリスク | 10.0% | 6.5% | 6.5% | 7.8% | 12.4% | 18.0% |
| ここで注目すべきは、2列目と3列目のリターンとリスクです。Aを75%、Bを25%組み合わせた場合のリターンは9.8%でリスクは6.5%、Aを62%、Bを38%組み合わせた場合のリターンは10.7%でリスクは同じ6.5%。同じリスクでも、資産の組み合わせ次第で高いリターンを得ることができます。 これから現代ポートフォリオ理論の重要なレッスンが得られます。それは、大事な資産を価格変動リスクから守るためには、ひとつの資産に投資するのではなく相関が低い資産同士を組み合わせて「分散投資」をすることが大事なんですね。最近のわかりやすい例としては、BSE(狂牛病)でアメリカ産の牛肉を使った牛丼業界が株価を落とした反面、オーストラリア産の牛肉を使った業者や、豚肉を使った業者が株価を上げたことは記憶に新しいですね。資産の組み合わせ率を考えることは難しいですが、資産の相関は是非とも考えてほしい問題です。 |