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明治神宮の歩き方

 
 

明治神宮は明治天皇と昭憲皇太后をお祀りする神社です。
内・外苑一帯にわたって鬱蒼と茂った緑したたる常磐の森は、全国から献木されたおよそ10万本、365種の人工林で、面積は70万平方メートル、国民の憩いの場所として親しまれています。
 
それでは、明治神宮の散歩に出かけましょう。

 
 
 
 
南詰め所前の鳥居 明治神宮の場所は、JR原宿駅、地下鉄千代田線明治神宮駅前下車、歩いて1分の表参道に面した南詰め所の鳥居からスタートしましょう。
 
明治神宮の地図はこちら

明治神宮の森は、シイ、カシ、クスなどの常緑広葉樹がうっそうと茂り、野鳥たちの棲み家であるこの森は、約90年前、日本全国から365種、約10万本の献木と、のべ約11万人のボランティアの協力で作られた150年構想の人工の森です。

神宮の森には花など愛でるものはありません。これは、参拝する前に心を鎮めるための効果があるそうです。参拝前にきれいな花に心を奪われてはいけないのです。

そして、参道には玉砂利が敷かれています。玉砂利の道を歩くとザクザクと音が鳴り、この音も心を鎮める効果があるそうです。

この参道を歩くときは、人間の五感を意識しながら、静かに歩くことをおすすめします。立ち止まり目をつぶると、風や木々の存在が音としてしっかりと伝わってきます。

南参道を歩いていると、右手にたくさんの樽に入ったお神酒(日本酒)が見えてきます。そして、その向かいにはワインのお神酒があります。これは、外国の文化を積極的に取り入れようと努力した明治天皇が祀ってある明治神宮らしい光景です。

しばらく歩くと2番目の鳥居が見えてきます。
この大鳥居は日本一の木製の鳥居です。しかも、ヒノキ製です。手触りがよく、鳥居に鼻を近づけるとヒノキの自然な香りをかぐことができます。是非とも鳥居を通るときは鳥居を触り、興味(勇気)があればヒノキの匂いをかいでみてください。伐採されてなお香るヒノキの偉大さが感じられると思います。
お神酒
大鳥居
大鳥居
御苑北門 ここで、参拝する前に少し寄り道をおすすめします。そこは大鳥居を通り過ぎた左側にある御苑です。

明治神宮には前にも書いたとおり、参拝前に心を鎮めるために花などの愛でるものはありません。しかし、この御苑だけは例外で四季折々の色鮮やかな庭園美が楽しめます。四季の景観としては、春にはスミレ、ヤマブキ、サクラが咲き、木々の若葉が芽吹きます。夏にはヤマツツジやショウブが咲き、秋には紅葉が楽しめます。そして冬は雪の降る日でも葉を失わない常緑広葉樹の森なのです。

それでは、御苑北門から入場してみましょう。入場して初めに見えてくるのが隔雲亭(かくうんてい)です。お茶席の隔雲亭では時々茶会が行われ、運が良ければ茶会を見ることができ、茶会の厳粛さに触れることができます。

お釣台は隔雲亭から見下ろす場所にあります。隔雲亭のお庭の近くから見下ろすのが一番いい風景です。

この御苑を歩いていて不思議に感じるのは、愛でるものが多いのに、気持ちが昂るというより心が落ち着いてしまうところです。曲折した小径をゆっくり自分の足音を聞きながら歩きたくなります。

お釣台を過ぎると、川の流れのように曲がりくねった菖蒲田(しょうぶだ)に出ます。この菖蒲田は明治天皇が昭憲皇太后のために植えさせたもので、現在も大切に守り育てられ、花菖蒲は6月には見事な花を咲かせます。

菖蒲田の途中の少し小高い場所には四阿(あずまや)があります。そこから眺める菖蒲田もきれいです。

この御苑の一番奥には清正井(きよまさのいど)があります。明治神宮の御苑の中には都会では珍しい湧水の井戸があるのです。この湧水は昔から「清正井」といわれ加藤清正が自ら掘ったとされています。この湧水が菖蒲田を潤し、お釣台のある南池に注がれていきます。最近ではパワースポットとして有名ですね。

そして、この湧水が明治神宮の森を出て渋谷川に流れ込み、渋谷の東急百貨店の地下を流れ、やがて東京湾にたどりつくのです。
隔雲亭を見上げる
南池
菖蒲田
清正井
  

 
鳥居 それでは、御苑を出て大参道に戻ります。
 
大参道からは右折する道を経て本堂に向かいます。一般的に参道はまっすぐに伸びているそうですが、ここ明治神宮は右折します。真意はわかりませんがこの右折の角度は88度に設定され、末広がりの「八」の字からこの角度が提案されたという説があります。奥が深いです。
ここで少し堅苦しいですが、神社参拝のマナーを覚えておくと便利です。

1.本殿に入る前に鳥居で一礼
2.手水舎にてお清め
(お清めの手順)
右手でひしゃくを持つ
   ↓
ひしゃくで水を汲み左手を洗う
   ↓
ひしゃくを左手に持ち替え右手を洗う
   ↓
再びひしゃくを右手に持ち替え、左の手のひらで水受けを作り、水を注ぎ、口を静かにすすぐ
   ↓
すすぎ終えたらもう一度左手を洗う
   ↓
最後に右手で持ったひしゃくの先を上げひしゃくの水をひしゃくの柄越しにこぼし、ひしゃくの柄をその水で洗う(次の人のため)


3.神前にて2礼2拍手1礼
4.最後に本殿を出る前に鳥居で一礼


参拝が終わったら、明治神宮の本殿をじっくり見てみましょう。実はこの本殿には多くのハートマークが隠されているんです。時間があればハートマークを探してみてはいかがでしょうか。明治神宮はデートにもぴったりのスポットですね。
神前
ハートマーク
ハートマーク
芝生地 参拝が終わりましたら、御社殿を背にして右側、西参道の道を進みましょう。小田急参宮橋駅に続く西参道は、原宿駅から続く南参道とは違いひっそりしています。この西参道の途中を宝物殿に向かって右折してます。

しばらくその道を進むと、視界が開き、新宿の高層ビルが覗く広い芝生地が現れます。ここは厳密に言えば公園ではなく、参詣に訪れる人の休憩所で喫煙、ボールなどを利用した遊戯は禁止されていますが、その分のんびりとできる超穴場スポットなのです。

明治神宮は都会の真ん中にありながら奥に足を踏み入れるほどに、都会の喧騒を忘れさせてくれる神聖な森だということがわかります。この明治神宮の森は人工林だということは前にも書きました。今ではウサギやたぬき、蛇までいるんです。神宮の森づくりは、(1)取ってはいけない、(2)入ってはいけない、(3)持ち出してはいけない、という3つの約束事が決められています。明治神宮を管理されている方々の枯葉一枚さえも持ち出さず森へ返すご苦労がこの森を作っているのですね。
芝生地
 
明治神宮は、森の自然とは別に一年中祭事が多く、祭事の他にも結婚式やお宮参り、七五三など行くたびにいろいろな参拝者に出会え、いろいろな姿を見せてくれます。一度きりじゃなく何度も足を踏み入れてその季節の明治神宮を味わってほしいです。そして、少し疲れたら高層ビルが見える広場に寝っ転がってみてはいかがでしょうか。
 


 

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