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冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記

(2009年1月24日~2009年1月26日)

★ 2日目 ★

 

 

冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 2日目の朝です。

ホテルで朝食をいただいて、目的地に向かいます。
そうなんです、あの旭山動物園に行くんです。

ホテルを8時20分に出発した旭山動物園行きの観光バス「空飛ぶペンギン号」は、砂川ハイウェイオアシスを経由して旭山動物園まで2時間半(うち20分ほど休憩)の道のりなんです。

バス内では銘菓「き花」が1つずつ配られ、希望者には動物園内で滑らないように靴に装着するゴム製の滑り止めが貸し出されて至れり尽くせりでした。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 そんな平和なバス内に異臭が立ち込めたのは旭山動物園到着のおよそ30分前でした。

旭山動物園内でのおいしい食事は難しいんじゃないか、短い滞在時間で飯を食う時間は惜しいんじゃないか、北海道らしい駅弁も食いたいじゃないか、などの活発な意見交換がされた我が家では前日に札幌で駅弁を買ってバス内でこそこそ食べようという前向きな話し合いが持たれていたのでした。

そして、僕は「北の鮭寿し」、嫁は「かに三種味くらべ弁当」を買う、そう決めていたのでした。

が、し、し、しかし、昨夜美乃家でラーメンを食った帰りに札幌駅に寄ると、ほとんどの駅弁は売り切れ、それならばデパ地下で弁当を買うぞ!!!と大丸の地下に潜ってみたものの、北海道らしい弁当はなく、

夜のイルミネーションがまばゆい観光地・札幌で、空気の読めない夫婦は、イルミネーションにウットリしている観光客を尻目に駅前通りをひたすら走り、大通公園沿いの丸井今井に閉店時間2分前に滑り込み、そしてこの弁当を確保したのでした。

長万部名物かなやのかにめしはカニがたっぷりで、酢漬けのカニ身やタケノコ、味がたっぷり染みた椎茸がご飯に合って、別々に食うのもよし、ごちゃまぜに食うのもありでした。

冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 11時30分、旭山動物園に到着です。

はっきり言って動物園自体はそんなに大きくありません。レイアウトもシンプルなので迷うことなく効率的に動物たちに出会えます。だからこそ、じっくり動物が見れて良かったです。

それでは、雪に負けず、足もとに注意しながら、少数精鋭な動物たちに会いに行きましょう。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 正門から行くと、すぐに冬の旭山動物園を代表する3つの動物たちに出会えます。

まずは、一番手前のぺんぎん館です。水中トンネルを通ると、本当にペンギンが空を飛んでいるように感じます。

気持ち良さそうに泳ぐペンギンの泳力は早く、カメラなんか構えていたらもったいないくらい迫力があるんです。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 トンネルを抜けると、屋内放飼場があります。

ペンギンって寒さに強いものだと思っていましたが、あとから写真を見て、それは間違いだと気付かされました。写真のフンボルトペンギンはこの日、旭山動物園内ではこの屋内放飼場でしか見れませんでした。

屋内放飼場は、夏は約15度、冬は約5度に設定してあるそうで、ペンギンを見ている僕たちは氷点下の世界なので、人間はフンボルトペンギンに寒さで勝てるんですね。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 屋内放飼場を出ると、今度は屋外放飼場で違ったペンギンたちが出迎えてくれます。

水の中ではジェンツーペンギンが楽しそうに泳ぎ、陸の上では首元が黄色いキングペンギンが観光客を見つめるように凛々しく立ち並んでいました。

その中に奥の通路からのっそり出て来た何か大物感たっぷりのペンギンがいました。着ぐるみなのか、毛の生え換わり中なのか、それともただの迷い子なのかわかりませんが、非常に気になります。

後日知るところによれば、あれはキングペンギンのヒナだったらしい。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 次はぺんぎん館の左側のあざらし館です。

入るとすぐに大水槽の中の通り道マリンウェイ(円柱水槽)がありました。水槽とか通り道とか言うより遊び場のようにアザラシたちが何度も何度も通るのでずーーっと見ていても飽きませんでした。

水槽が円柱なので、いろいろな角度からアザラシの泳ぎ方が見えて面白いですし、アザラシたちの表情を見ていると何か遊ばれているような気になってきます。

混雑時、写真を撮ろうとして真正面から撮ると、円柱の向こう側の人の笑顔が一緒に撮れちゃうので要注意です。

★動物園に行く人に老婆心ながらのご忠告★

最近、デジカメを気軽に持つ方が多いようです。低価格で機能もよく旭山動物園の来場者の中でも多くの方が持っていました。
ただ、動物園内はフラッシュ撮影が禁止されています。フラッシュで動物が目を傷めるからです。
是非、動物園にデジカメを持って行く際はフラッシュ発光を停止する操作方法を確認して行ってください。フラッシュを停止できないとせっかくの動物たちの写真が撮れなくなって面白みが半減してしまいますよ。フラッシュ機能を停止できなくて嘆いているお母さん数名発見しました。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 あざらし館の横のほっきょくぐま館を通ったらレッサーパンダの小獣舎と吊り橋があります。

レッサーパンダ、本当にかわいいです。メロメロになっちまいました。動物の習性なのか、繰り返し同じ道を通るので見えにくさもなく、歩き方が本当にキュートなんです。ハイ、大人げもなく大声を出してしまいました。やっぱりメロメロになっちまいました。

吊り橋は、人間の通る通路の上を横切っていてレッサーパンダを真下から見ることもできました。

冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 次はもうじゅう館4連発です。もうじゅう館にはもっとたくさんの猛獣がいるんですけど、お気に入りの4連写でございます。

まずは、アムールトラです。アムールトラは寒さに強いので誇らしげに威張りまくっていました。しかも、鉄柵の近くに歩いてくると、ギッと怖い表情を見せてくれて、サービス精神が旺盛なのか睨みを利かされているのかわかりませんが、鉄柵があっても怖さが十分伝わって来ました。

そこまで怖い顔しなくてもいいのに・・・。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 お次はライオンです。

同じ花道を行ったり来たりしていて、まさにパリコレのモデルのポージングです。表情に大人のゆとりさえ感じます。

おととしケニアで見たライオンがこんな寒い旭川で暮らしているなんてびっくりです。すごい適応力です。ライオンの爪の垢をさっき見たフンボルトペンギンにも煎じて飲ませてあげたい、そう思いました。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 そして、爪の垢と言えば肉球です。誰の肉球かと言いますとユキヒョウです。

以前NHKでユキヒョウの狩りの様子を見たことがあって、断崖絶壁を巧みに、かつ獰猛に動けるユキヒョウが気になっていました。

そんなユキヒョウですが、新疆ウイグル自治区の牧畜農民が山で拾った2匹のネコを育て、成長してみたら実はユキヒョウだったなんて怪しい話もありましたね。

冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 で、もうじゅう館の最後はヒョウです。

ケニアに行ったとき、見たくても見れなかった動物で、ライオンやチーターが見たければ草原を探すんですが、ヒョウを探すときは木の上を探せと言われるくらい木登りが上手な動物なんです。

木登りが上手なのは、狩りで得た獲物を木の上に運びゆっくり食べるためなんです。サバンナなどではせっかくの獲物もライオンやチーター、ハイエナなどの他の動物に奪われる危険性があるかららしいです。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 次にオオカミの森を通ったらおらんうーたん館です。

オランウータンは夏、屋外の空中遊技場で遊ぶらしいんですが、冬は屋内のおらんうーたん館で楽しそうにロッククライミングや綱渡りをしていました。

写真は親のリアンと子供の森人です。綱渡り中、小さな森人は適当な距離に掴めるものがないと、リアンの体を綱代わりにして遊んでいました。

オランウータンの足の握力ってどれくらいなんでしょうか?
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 正門の反対側にある東門の近くに来るとちんぱんじー館があります。

冬は屋外放飼場やスカイブリッジは見れないのでガラス張りの屋内放飼場でチンパンジーとご対面です。屋内の放飼場は1階と2階から見られるので、目線に変化があって良かったです。

1階ではチンパンジーのダイナミックな動きが見れて、2階では高所で休んでいるチンパンジーの豊かな表情がうかがえました。

いろいろな目線を取り入れているのが旭山動物園の特徴なのかもしれませんね。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記  
次はさる山です。

雪の降る寒い中でニホンザル同士が身を寄せ合って温めあっている姿が見れました。

寒いので飛び跳ねるような活発な動きあまりないんですが、それも冬のニホンザルの魅力だと思います。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 そして、ほっきょくぐま館に戻って来ました。

行きにあざらし館の次に寄ったんですが、2匹のホッキョクグマは身を寄せ合うだけでほとんど動かなかったので、14時のもぐもぐタイムに再訪してみました。

もぐもぐタイムの前だけあって行列ができていましたが、この日は飼育員さんからもぐもぐタイムの前にお話がありました。

『この2、3日メスのホッキョクグマが発情しているようでほとんど動かないんです。そしてオスのホッキョクグマもメスから離れようとしないんです。ですので、ここ2、3日はもぐもぐタイムで魚を与えてもホッキョクグマは食べないんです。今日の午前中のもぐもぐタイムも食べませんでしたので、今回のもぐもぐタイムもおそらく無理で、普段は入れ替え制で何度かやるんですけど、今回はこういう状況なので入れ替えはせずとりあえず1回のみの実施とさせていただきます。ですので、ここで並んでいただいても、今1階の水槽の前で待っていただいている方たちだけで今並んでいる皆さんにはもぐもぐタイムを見せられません。こちらも見ていただきたいのですが動物が相手のことですからご了承ください』と。

僕たちは残念だけど仕方がないと思いました。だって、メスの側を離れないオス、それは


『愛』


だからです。でも、せめてもう一度ホッキョクグマを見たい。もぐもぐタイムで水槽にダイブしないのなら2階からホッキョクグマを見降ろして、『愛』を感じたい、そう思ったんです。

そして、もぐもぐタイムが始まりました。館内では飼育員さんがホッキョクグマの紹介や説明と同時に一匹ずつ魚を水槽に放り込みました。普段だったら放り込まれた魚を捕りにホッキョクグマが豪快にダイブするのでしょう。でも今日のホッキョクグマはやっぱり『愛』に溢れ片時も離れようとしないんです。水槽には食べられるはずの魚がひらひらしておりました。なんか残念でありながら満たされている不思議な気分になりました。

その後も飼育員さんの説明は続き、観客たちのホッキョクグマを見つめる目も「愛」に溢れたころでした。飼育員さんが4匹目の魚を投げ込んだんです。そしたら突然オスのホッキョクグマがメスを置き去り、獰猛に水槽にダイブして4匹まとめてもぐもぐしちゃったんです。

普段なら豪快にダイブする姿に歓声が沸くはずなのに『愛』に満ち溢れていたその日は、観客の誰もが見ちゃいけないものを見てしまって、困った表情をしておりました。

もしかして、一匹ずつ魚を獲ることがバカらしくなって4匹投げ込まれるまで僕たちの目を欺いていたのかもしれません。『愛』の偽装疑惑です。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記
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冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記  
ホッキョクグマの醜態は一時保留して、次はあざらし館に戻ってアザラシのもぐもぐタイムです。

飼育員さんが現れると一斉に近寄るアザラシたち。飼育員さんを凝視しながら、飼育員さんが魚(ホッケ)を投げる方向を見定めるようにキョロキョロして面白かったです。

なんだ、その手は!!!

とツッコミたくなるようなかわいい手(ヒレ)や、うっとり見つめられたら惚れてしまいそうなつぶらな瞳、泳いでいるときには気付かないアザラシたちを見れて、もぐもぐタイム最高です。

特に気に入ったのは、氷上で魚を食べる時のパン食い競争のような必死さでした。

飼育員さんによる説明が終わり、飼育員さんが空のバケツをアザラシに見せると、アザラシたちは賢くも魚がないことに気付き水中に戻って、もぐもぐタイムは終了しました。

あざらしのもぐもぐタイムが終わると観客たちが一斉に向かうのは、ペンギンのお散歩です。

冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 キングペンギンの元来長距離を歩く習性を利用して、運動不足解消も兼ねて行われているのが、このお散歩だそうです。つい最近からジェンツーペンギンもこのお散歩に参加するようになったみたいです。

キングペンギンが隊列を崩さず、まっすぐに堂々と歩くのに比べて、前をひょっこらひょっこら歩くジェンツーペンギンはあっち行ったりこっち行ったりして落ち着きのないペンギンでした。

僕たちの前を通る時も、キングペンギンは見向きもせず前を向いて歩くのに、ジェンツーペンギンは手の届く距離まで近づいてきてキョロキョロしてるんです。

飼育員さんは言いました。ペンギンのお散歩を見ていただけるのはペンギンが人間に馴れているからではなく人間に対して警戒心が薄いからだそうです。動物たちと共存していくためには動物たちに警戒心を与えないことが大事なんですね。

ペンギンのお散歩は約30分行われます。僕たちはバスの出発時間もありお散歩コースに急いで並びましたが、お散歩の前半よりも後半の方が観客も少なくゆっくり見れそうでした。次回はお散歩からぺんぎん館に戻るところを見てみたい、そう思いました。

写真をあとから見て思ったんです。ペンギンの散歩に同行している飼育員さんたちの表情が、この旭山動物園を象徴しているのかなと。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 15時、バスは旭山動物園を出て札幌に向け出発しました。

同じバスに乗っている人の中には、札幌に着いたらそのまま新千歳空港まで行って帰宅する人もいました。

前回、札幌から旭川行きのバスに乗ったとき、猛吹雪で高速道路は通行止めになり、バスは2倍の時間を掛けて旭川に到着しました。そんな経験があったので僕たちには考えられないスケジュールです。

でも、無事18時に札幌駅に到着です。
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 それでは、夕食です。

昨日は味噌を食ったから、今日は醤油がいい、そう思って醬油屋一平に行ったら定休日でした。昨日食ってればと悔やまれますが、悔やんでも空腹は満たされないので、

すすきのにある味噌ラーメン専門店『にとりのけやき』に行ってきました。

18時開店で、18時20分に速やかに入店・着席したのに、18時半には外に並ぶ人もいて大人気のお店です。

味噌ラーメンは、味噌とラードの濃厚さがガツンと来て、一口スープをすすっただけでウンウン頷ける味でした。
大きくカットされたキャベツや無骨な感じの挽肉が個性的で、でも邪魔し合わず引き立て合い、かつ濃厚なスープに負けてなくて、太く縮れたコシのある麺はスープの持ち上げがよくて笑うほどウマかったです。

昨日食べた味噌ラーメンが繊細すぎて、それぞれの味が相殺されてしまってまろやかだった分、このラーメンは無骨っぽいのに実は繊細でコクがあって、パンチの利いたラーメンでした。味噌ラーメンってウマいんだな、と普段醤油ラーメンばっか食ってる人間は思いました。値段は少々高いけど、今度はニンニクラーメンを食いたいと思いました。

冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記
冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 昨日、藻岩山から見たすすきのの観覧車を見ながらホテルに向かいます。

画像の左下には灯りの消された醬油屋一平が奇しくも写りこんでいます。なんか悔しいです。

すすきののランドマークだったロビンソン百貨店が専門店街ラフィラに変わっていました。駅前通りとすすきのの交差点のシンボルだったのでさみしいですね。
泊まっている札幌後楽園ホテルに着いたら、嫁は例の、昨日も使ったケーキセットを食べに、一階のラウンジへいそいそと出掛けておりました。はい、そうです。旦那様である僕の名前の書かれたクーポンを使用してケーキセットをいただくそうです。

これが本日の食後のデザート、サクサク、カスタードとろ~りのミルフィーユだそうです。

冬の北海道 札幌・旭山動物園旅行記 一方の僕はと言えば、昨日は妥協して失敗したので、今日はしっかり『だるま』にうかがいました。前回は支店だったので今回は本店です。雪の中、待ち人3人目でした。

で、ほどなく店内に招かれ、上着を脱いでいる間に大盛りの野菜が鉄鍋に盛られ、目の前には肉が一皿無言のまま置かれていました。なんかいい感じです。

ラーメンを食べた記憶は吹っ飛びました。

ここのお肉は脂がウマい。脂を溶かして野菜にしみこませて、その熱々の野菜を頬張るのが最高なんです。脂の旨みと野菜の甘み、それになにより特製のタレがウマいんです。

もう一度言っていいですか?鉄鍋の淵に溜まる脂で野菜を揚げるようにしてから食べるのが大好きなんです。

一皿目の肉はビールでいただき、二皿目の肉を注文すると同時に禁断の「ライス」を注文です。目の前には肉、ビール、ライスのゴールデントランアングルが完成なんです。

ここ数日、白米を食っておりませんでした。ちなみに、バスの中で食ったかにめしは白米じゃありません。
ですから、このキラキラ光る白米にちょっと焦げ目の付いたジンギスカンを乗せると、なんか不思議な気分になってきて、昼間見た氷上のアザラシの手にも見えてきて、なんか北海道ってステキだなって思いました。
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